コレクション
松岡清次郎のコレクションは日本画から始まりました。その後、中国、日本、朝鮮、ベトナムなどの陶磁器、西洋絵画、現代彫刻、古代東洋彫刻、古代オリエント美術などへと広がってゆきました。
現在、常設展示をしている古代ローマ彫刻、古代エジプト美術、古代東洋彫刻、近現代彫刻は美術館創設を決意した後に「日本ではあまり見られないものを紹介したい」との意欲から蒐集しました。
さらに、晩年には国内の公募展に足を運び、長年の蒐集で培った審美眼で、若手作家の作品を買い上げています。
陶磁
— Ceramics —
中国China
中国陶磁コレクションは、清次郎が美術館の心髄を求め取得した《
また、首を下げた稀有な作例の《
日本Japan
日本画に続いて初期に蒐集された90件あまりの日本陶磁は、その多くが17~18世紀の肥前磁器です。王朝交代期に衰退した中国陶磁に代わり、海外へ輸出された柿右衛門様式や古伊万里金襴手、染付、将軍家への献上品であった鍋島を有します。
特に、初期色絵と呼ばれ、大胆な色調と構図で大名らの宴を飾った古九谷様式は、《
朝鮮Korea
清次郎は周辺国による中国陶磁の受容と変容にも関心を寄せました。25件あまりの所蔵品が、ほぼ高麗青磁で占められているのは、中国にはない独特の趣を持つ個性的な技法や器形に魅了されたからでしょう。
唯一含まれる青花は、開館4年後に取得した朝鮮時代18世紀の《
ベトナムVietnam
ベトナム陶磁は20件で、これらも中国陶磁との比較を鑑みての蒐集といえましょう。黎朝の《
ベトナム青花最盛期の15~16世紀の作品が主で、力強さと大らかさを併せ持つ作風は民族性豊か、時にユーモラスな雰囲気を醸し出します。