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松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.3 館蔵 中国明清絵画展
【会場】展示室 5
【会期】
2022.11.01 ~ 2023.02.05
前期 11.01 火 ~ 12.11 日
後期 12.13火 ~ 02.05 日
当館の創立者松岡清次郎は1983~87年の約5年間に、サザビーズとクリスティーズのオークションで集中的に中国絵画を蒐集しています。きっかけは1983年6月15日にニューヨークで開催された中国美術のオークションでした。この時、清次郎はカタログの表紙を飾った《三彩大壺》などの中国陶磁とともに、5点の明清時代の中国絵画を取得しました。その後は中国絵画単独のオークションにも参加し、最終的なコレクションは40点に及びます。本展では清次郎が蒐集した中国絵画を一堂に会します。
■最初期の蒐集 ―国内の売立―(前期展示+後期展示)
海外でのオークション以前に、国内の売立で清次郎は4点の中国絵画を蒐集しています。
はじまりは、1959(昭和34)年4月27日の入札会で取得したという伝 檀芝瑞 筆《雨竹之図》です。続いて、伝 夏明遠 筆《春山楼閣図》を1965(昭和40)年10月27日に東京美術倶楽部で開催された入札売立会で、それから約12年後の1976(昭和51)年2月27日の第一回東美オークションで、伝 孫克弘 筆《梅花喜鵲図》と王震 筆《枯木寒鴉図》を取得しています。
■本格的な蒐集の端緒 ―三彩大壺が引き寄せた出会い―(前期展示)
1983年6月15日、清次郎はニューヨークサザビーズで開催された中国美術のオークションに参加しました。この日の狙いはカタログの表紙を飾った《三彩大壺》でしたが、このオークションの午前の部では中国絵画の競りが行われており、最終的に清次郎は《三彩大壺》を含む4点の中国陶磁とともに5点の中国絵画を取得しています。これをきっかけとして、約5年にわたり中国絵画単独のオークションに参加し、急速にコレクションを形成していきます。
■急速な蒐集 ―中国絵画単独のオークション―(前期展示+後期展示)
前回、中国絵画を取得したオークションから二年半後の1985年12月初旬、清次郎はニューヨークで開催された複数のオークションに参加しています。そのうちの3つは中国絵画単独のオークションであり、この時、23件の中国絵画を取得しました。
前期展示では、12月3日のChristie’s New York : Important Classic Chinese Paintings and Calligraphy 、12月5日のSotheby’s New York : Fine Chinese Paintingsで取得した作品をご紹介します。
後期展示では、中国で著名なコレクター王南屛のコレクションが売り立てられた12月5日のSotheby’s New York : Fine Chinese Paintings from the Yuzhai(玉齋) Collectionで取得した作品をご紹介します。
■最後の蒐集 ―1987年12月8日のオークション―(後期展示)
清次郎の中国絵画蒐集は、亡くなる2年前にあたる1987年12月8日にニューヨークで開催されたSotheby’s New York : Fine Chinese Paintings が最後となります。
このオークションでは、清朝末のコレクター 顧文彬旧蔵の沈周《縹渺峰図》、20世紀を代表する中国画の大家である張大千 旧蔵の董其昌《群峰聳翠図》など8件を取得しています。