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松岡コレクション めぐりあうものたちvol.3 明清陶磁 繚乱の美
会場 展示室4
会期 2022.11.01 火-2023.02.05 日
中国陶磁の伝統は王朝の交代にあっても失われることなく、また、異文化とめぐりあうことで大きな発展を遂げました。陶磁史上画期的な転換点となった青花技法は、征服王朝である元(1271-1368)の時代に誕生し、明時代に引き継がれました。また、満州族の王朝 清(1616-1912)の統治下では新しい技術が次々と開発され、康熙・雍正・乾隆の3皇帝のときに全盛期を迎えます。今回は、さまざまな「出会い」により変化を遂げ、常に邁進を続けた中国陶磁の大成期・明清時代の繚乱の美をご紹介します。
■絵筆で文様を描いた陶磁器は、中国の伝統では世俗的とみなされていましたが、元時代に生まれた青花磁器は中国の王朝に定着し、明王朝で引き続き製作されました。
■明時代には、青花磁器に続いて黄や赤などで絵付けをした華やかな五彩磁があらわれ、16世紀の嘉靖・萬暦期になると青花をしのぐほどになります。
■清朝は(1644-1911)満州民族による征服王朝ですが、統治にあたっては官僚機構や科挙といった明の制度を踏襲し、漢民族の文化を尊重しました。康熙帝の時に景徳鎮官窯が再開され、ヨーロッパの科学技術をもたらした宣教師や景徳鎮の監督官とのめぐりあわせが新たな陶磁器の開発につながります。
■清時代の陶磁器には絵画に迫る写実性を追求した絵付け磁器のほかにも、美しい単色釉の作品群があります。単色釉は明王朝でも重きが置かれた分野ですが、伝統的な色を追求する段階で新たな釉が生まれています。